〜 錫 杖 〜

 






 行者が持つ法具の一つで、元々は音で獣や毒虫、魔を払うもので遍路の時は一時も肌身離さない。本来遍路には上部に錫杖がついてない金剛杖(こんごうじょう)を使う。『同行二人』弘法大師と共に歩むという意味から、弘法大師の別 の名、遍照金剛からこの呼び名がついた。遍路法具の中で一番大切なものであり、歩くための用具であると同時に、遍路の精神的な柱である。宿に着くと、杖元を足の如く洗い、床の間に祀り、礼拝する。また、道中では十夜ヶ橋伝説から、橋の上では杖は突いてはならない。昔は遍路途中で死亡した際、そのまま墓標とされた。
 入場の際、姿が現れる前からこの錫杖の音が響き渡る。花道を浄め、大師に護られ、闘いという修行の場に向かう姿には崇高な空気が漂い、近寄りがたいものがある。
 錫杖にも闘いに応じて、数種類があり、杖の上部に『南無大師遍照金剛』と入っている。